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社会保険労務士と労働争議不介入 2009.09.27

日本労働組合総連合は、9月3日、厚生労働省に対して「社会保険労務士の労働紛争等への関与についての要請」を行いました。社会保険労務士に興味のないかたにとっては退屈な内容かもしれませんが、社会保険労務士としては取り上げなければならない内容です。
http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/rengonews/2009/20090904_1252026320.html


要請文によりますと、
『昨今、労働組合活動の現場からは、社会保険労務士が労働紛争の解決に関与することについて、労働紛争の公正な解決および健全な労使関係の構築という観点から懸念の声が出ています。また、社会保険労務士が団体交渉において会社側の代理人としての業務を行う違法な事例も報告されています。』として、
「社会保険労務士法第23条『社会保険労務士の労働争議への介入禁止』の削除後における社会保険労務士の労働紛争への関与の実態を調査・把握し、厚生労働省基発第0301002号平成18年3月1日付通達の周知・徹底を行う」ことを求め、『労働争議への介入禁止』の再規定にも言及しています。また、「社会保険労務士が、労働委員会の公益委員、紛争調整委員会の委員、総合労働相談コーナーの相談員をはじめ、労働関係の専門家として公正・中立な立場で労働紛争の解決に関与すべき職務に就くことの是非等について、労使および労働委員会関係者等も入れた検討の場を速やかに設け、検討を行う」ことを求めるものとなっています。

社会保険労務士の労働紛争等への関与についての要請(平成21年9月3日 日本労働組合総連合)


「労働争議不介入規定」の削除は、紛争手続き代理業務の範囲等の拡大を内容とする社会保険労務士法の平成17年改正の一つとして成立し、平成18年4月1日から施行されているところです。社会保険労務士法は議員立法により制定されており、その改正も議員立法によるのが原則であるところ、この時の改正は司法制度改革の一環として行なわれたものであり政府提案により改正がなされています。「労働争議不介入規定」は昭和43年の社会保険労務士法制定当初より存在していましたが、削除の背景として、法制定当時は労働争議が頻発していた状況でしたが、その後、状況が大きく変化し、労働争議がなくなってきたこと。また、社会保険労務士の組織が整備されてきたことが挙げられると思います。

「社会保険労務士法の一部を改正する法律等の施行について」(厚生労働省基発第0301002号平成18年3月1日)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/shahoroumu01/01a.html
〈抜粋〉
第 1  社会保険労務士の業務からの労働争議不介入規定の削除(社会保険労務士法第2条第1項第3号及び第23条関係)
 社会保険労務士法(昭和43年法律第89号。以下「法」という。)第2条第1項第3号かっこ書においては社会保険労務士が業として「労働争議に介入することとなるもの」について相談・指導の事務を行うことができない旨規定し、同法第23条は開業社会保険労務士については業として行うか否かにかかわらず、労働争議に介入することを禁止していたところ、改正法により、これらの規定が削除された。
 これについては以下の事項に留意すること。
1  改正後の業務内容
 今回の改正によって、争議行為が発生し、又は発生するおそれがある状態において、社会保険労務士は業として当事者の一方の行う争議行為の対策の検討、決定等に参与することができることとなること。しかしながら、労働争議時の団体交渉において、一方の代理人になることは法第2条第2項の業務には含まれず、社会保険労務士の業務としては引き続き行うことができないこと。
 なお、全国社会保険労務士会連合会(以下「連合会」という。)においては、会則に社会保険労務士会の会員が適正な労使関係を損なう行為をしてはならないことを明記したところであり、また、苦情処理相談窓口を設けて不適切な業務を行った社会保険労務士に指導を行うとともに、綱紀委員会も設けることとしていること。
 また、「適正な労使関係を損なう行為」をした社会保険労務士について、当該綱紀委員会における調査・審議を経て連合会から厚生労働大臣に懲戒事由の報告がなされた場合は、厚生労働大臣は厳正に対処し、必要に応じ懲戒処分を行うこととなること。

社会保険労務士法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(平成17年6月8日衆議院厚生労働委員会)
〈抜粋〉
政府は、本法施行に当たり、次の事項について適切な指導を講ずるべきである。
七 労働争議への介入を禁止する規定の削除が、正常な労使関係を損なうことがないよう、社会保険労務士会及び全国社会保険労務士連合会を通じて指導すること。
八 労働争議への介入を禁止する規定の削除に伴い社会保険労務士の業務が変更される範囲について、国民が正しく理解できるよう、広報等その周知を徹底すること。
九 社会保険労務士の業務範囲の拡大に伴い、全国社会保険労務士連合会において、綱紀委員会や苦情処理相談窓口の設置など、国民からの信頼に十分答え得る体制整備が図られよう指導すること。


【改正前の社会保険労務士法第23条】(「社会保険労務士法詳解」全国社会保険労務士連合会編より)

法第23条 開業社会保険労務士は、法令の定めによる場合を除き、労働争議に介入してはならない。

本条の趣旨は「社会保険労務士は、人事、労務相談の専門家として、事業の労働に関する事項のっ全般にわたって相談に応じ、指導を行なうことができる立場にある。従って、労働組合、団体交渉、労働協約等の労使関係についての相談・指導もその業務の範囲に含まれるわけであるが、労働争議という労使の集団的対抗関係が顕在化し、争議行為という実力行使が行なわれる労使紛争の渦中に、社会保険労務士という法律により公的な資格が付与され、公の信用を背景に業務を行なう立場にある者が介入することは、その公正性を疑わしめ、かつまた、本来労使間で解決すべき労働争議をかえって複雑化させるおそれもある理由で、社会保険労務士の業務を規定する第2条第1項第3号(相談、指導)の事務から「労働争議に介入することとなるもの」を除くほか、更に本条において、開業社会保険労務士について、労働争議に介入することを原則として禁止したもの。

本条の労働争議については、昭和43年法施行通達で労働関係調整法第6条に規定する労働争議の定義が引用されています。すなわち「労働関係の当事者間において、労働関係に関する主張が一致しないで、そのために争議行為(同盟罷業、怠業、作業所閉鎖その他労働関係の当事者が、その主張を貫徹することを目的とする行為及びこれに対抗する行為であって、業務の正常な運営を阻害するもの-労働関係調整法)が発生している状態又は発生するおそれがある状態をいうこと」とされていました。


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