TOP > スポンサー広告 > 有期労働契約における特定受給資格者・特定理由離職者の判断基準TOP > 雇用問題 > 有期労働契約における特定受給資格者・特定理由離職者の判断基準

スポンサーサイト --.--.--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

有期労働契約における特定受給資格者・特定理由離職者の判断基準 2009.06.20

【こんなとき「退職届」を書いてはいけない!】

6月18日日本経済新聞朝刊社会面に『解雇なのに「自己都合』の見出しで記事が載っていました。雇用保険の離職票をめぐるトラブルを記事にしています。この記事を題材に離職するときの留意点、改正雇用保険法を考えてみたいと思います。
※ブログUP後にネットを見ていたら、この記事、関東方面では5月15日朝刊社会面に掲載されていたようですね。九州版、紙面が埋まらなかったんでしょうか?
【記事抜粋】

『…20代男性。2008年5月から派遣社員として製造業の工場で働いてきたが、3月初めに「仕事がない」として派遣先から契約の中途解除を宣告された。
 本人は「会社都合」での解雇と思っていたが、派遣会社から届いた離職票には「自己都合」と記載されていた。失業給付の申請のためハローワークに行くと、「保険加入期間が足りないので受給資格がない」。解雇なら6か月間の加入で支給されるが、自己都合だと1年で、男性は1か月足りなかった。派遣会社に訴えたがとりあってもらえず、結局申請は断念、…』

これだけでは、情報が不足しているのであくまでも推定ですが

『派遣先から契約の中途解除を宣告された』。派遣先からの契約解除は雇用契約ではなく派遣契約で派遣元(派遣会社)に対してなされるわけですが。このことは置いておいて、少なくとも会社側の都合による離職は間違いありません。しかし、離職票には「解雇」でもなく「期間満了」でもなく、『自己都合と記載されていた』ということです。そして申請を断念したということですから、解雇の主張が通らなかったということです。派遣会社が派遣先からの派遣契約解除を受けて、当該派遣労働者との雇用契約期間が残っているにも拘わらず(契約期間の長短は問いません)打ち切れば解雇ですが、記事の内容からは解雇の言い渡しがあったかどうかがわかりません。

【考えられる主なストーリーは二つ】
1 「仕事がなくなったので辞めてくれないか」(退職勧奨)、「分りました」、「では、退職届を提出してくれ」。で、単に退職届を提出した、退職勧奨を受けて辞めることを明示しない退職届を提出した。

退職勧奨を受けて、同意して退職する場合は、労働契約の終了事由としては解雇ではなく、合意解約ですが、雇用保険の離職理由では退職勧奨による退職は解雇扱いで、特定受給資格者(下記参照)となります。このとき、単なる(「一身上の都合により」とか、ただ「退職します」とか)退職届を提出してしまうと、退職勧奨を受けた証拠が残らず、逆に自己都合退職の事実の証明となって覆すのは困難となります。

退職勧奨を受けたら、同意したとしても、安易に退職届を書いてはいけないし、内容のよく分らない書類には署名とか押印もしてはいけない。

2 解雇、又は退職勧奨で、解雇と思い、退職届も何も出していなかったが、離職票が自己都合退職となっていた。

雇用保険の資格喪失(離職のとき)の届出はハローワークに対して会社が行ないます。その際、通常は、離職理由の判る書類の提示を求められます(自己都合であれば「退職届」)。従って、退職届の提示が無い自己都合退職に関して、離職者が事実に反する旨主張すれば、ハローワークは会社に確認をとるはすです。

離職理由の判断手続き
  https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html

尚、「事業主が届出の規定に対して届出をせず、又は偽りの届出をした場合、行政庁の報告の命令に対して報告をせず、若しくは偽りの報告をし、又は文書を提出せず、若しくは偽りの記載をした文書を提出した場合。6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金」(雇用保険法第83条) 

助成金の不支給事由
雇入れ型の助成金の場合、解雇(退職勧奨による退職を含む)、 一定数の特定受給資格者を発生させた場合(3人以下は不問)不支給。(下図)

助成金不支給事由判断期間


【改正雇用保険法 有期契約労働者における受給資格要件の緩和】

契約期間が1年未満で契約の更新が明示されていたにも拘わらず更新されなかった場合(雇止め)、 3月31日施行の雇用保険法の改正には関係なく、従来より(平成19年10月施行改正)、特定受給資格者に該当して被保険者期間は6か月で受給資格期間は満たしていました。

問題は更新の有無の表現なのですが、「更新が明示されていた」というのは「更新有」の場合で、「更新する場合がある」だと更新の確約とは言えず該当しませんでした。(「更新有」というのは非常にまれだと思います)

この点が、今回の改正では従来の特定受給資格者の概念とは別に「特定理由離職者」という概念を創設して範囲を拡大しています。ちなみに、更新により3年以上雇用されていて雇止めの場合は更新の確約までは問わず特定受給資格者です(平成13年4月特定受給資格者の概念が導入されたときより)。

「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」(抜粋)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/koyouhoken05/pdf/03.pdf

1 特定受給資格者及び特定理由離職者とは
 特定受給資格者とは、倒産・解雇等の理由により再就職の準備をする時間的余裕なく離職を余儀なくされた者(具体的には以下の「特定受給資格者の範囲」に該当する方)であり、一方、特定理由離職者とは、特定受給資格者以外の者であって期間の定めのある労働契約が更新されなかったことその他やむを得ない理由により離職した者(具体的には以下の「特定理由離職者の範囲」に該当する方)であり、これに該当した場合、
① 失業等給付(基本手当)の受給資格を得るには、通常、被保険者期間が12か月以上(離職以前2年間)必要ですが、被保険者期間が12か月以上(離職以前2年間)なくても6か月(離職以前1年間)以上あれば受給資格を得ることができます。
② 失業等給付(基本手当)の所定給付日数が手厚くなる場合があります(注)。

特定受給資格者の判断基準
Ⅱ 「解雇」等により離職した者

(8) 期間の定めのある労働契約の締結に際し当該労働契約が更新されることが明示された場合において当該労働契約が更新されないこととなったことにより離職した者。

期間の定めのある労働契約の締結に際し、当該契約の更新又は延長を行う旨が雇入通知書等により明示されている場合(労使で契約を更新又は延長することについて確約がある場合)であり、かつ、労働契約の更新を労働者が希望していたにもかかわらず、契約更新がなされなかった場合に離職した場合が該当します。
なお、労働契約において、契約更新条項が「契約を更新する場合がある」とされている場合など、契約更新に条件が付されているときは、ここでいう契約更新の明示(契約更新の確約)があるとは言えませんので、この基準に該当しません。

特定理由離職者の判断基準
Ⅰ 期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことにより離職した者(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかった場合に限る。)
期間の定めのある労働契約について、当該労働契約の更新又は延長があることは明示されているが更新又は延長することの確約まではない場合であって、かつ、労働者本人が契約期間満了日までに当該契約の更新又は延長を申し出たにもかかわらず、当該労働契約が更新又は延長されずに離職した場合に該当します。


有期労働契約の雇止め(契約の更新を労働者が希望していたにもかかわらず、契約が更新なされなかった場合)において、被保険者期間が6か月以上ある場合の受給資格の判断基準を簡単に表にすると次のようになるでしょうか。

有期労働契約者の受給資格の判断基準


コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL:
    (copyボタンはIEのみ有効です)
«  | ホーム |  »
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。