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介護職員のキャリアパスに関する懇談会 2009.12.31

12月11日、厚生労働省による「介護職員のキャリアパスに関する懇談会」が開催されました。

「介護職員のキャリアパスに関する懇談会」の開催趣旨等について(配布資料より抜粋)

○ 今後、急速な高齢化の進展による介護サービスに対するニーズの増大が見込まれる中で介護人材の確保・定着は重要な課題であるが、介護職員については、
① 他産業と比較してその業務の割に賃金水準が低い
② 賃金カーブを見ると他産業と比較して賃金上昇率が低い
③ 仕事にやりがいを感じているもののキャリアアップが困難といった指摘がある。

○ こうした指摘等を踏まえ、厚生労働省としても介護職員の処遇改善にあたっては
① 平成21年4月の介護報酬プラス3.0%改定
② 介護職員(常勤換算)1人当たり平均月額1.5万円の賃金引き上げに相当する介護職員処遇改善交付金の創設
③ 雇用管理改善を行う事業主への助成等の各種介護関連対策予算の措置等の多様な施策を実施してきた。

○ これらの取組みに加えて、長期的に介護人材の確保・定着の推進を図るためには、介護職員が将来展望を持って介護の職場で働き続けることができるよう、能力・資格・経験等に応じた処遇が適切になされることが重要であり、こうしたキャリアパスに関する仕組みを、介護の職場に導入・普及していく必要があると考えている。

○ このため、介護分野の関係団体及び有識者による公開の意見交換会の場として本懇談会を設け、介護職員のキャリアパスの仕組みの普及・定着に向けての取組みの促進を図るものである。

とされています。また、『本懇談会は、平成22年度に導入を予定している介護職員処遇改善交付金のキャリアパスに関する要件を決定する場ではないが、本懇談会におけるご意見等については、厚生労働省においてキャリアパスに関する要件を決定する際に参考とさせていただくものとする。』としています。

介護職員処遇改善交付金については、本年10月から実施され、平成23年度まで予定されています。平成22年度以降の助成にあっては、基本的に平成21年度の取扱いに準じることが想定されていますが、キャリアパスに関する要件を満たしていない場合は助成額を減額することが予定されており、次年度以降の申請のハードルとなっているところかと思います。

介護職員のキャリアパスに関する懇談会(平成21年12月11日)
  http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/12/s1211-13.html
 ○資料1 介護職員のキャリアパスに関する懇談会の開催について
 ○資料2 介護職員のキャリアパスについて
 ○資料3 介護分野の人材確保・育成支援事業の概要

政策レポート(介護職員処遇改善交付金について)(厚生労働省12/28)
介護職員処遇改善交付金及び福祉・介護人材の処遇改善事業助成金の申請率について(厚生労働省12/25)

【関連レポート】
浜銀総合研究所~人事・労務レポート「めざまし人事」~
 09/11/30 介護職員の募集・採用に助成金を活かす方法をご存知ですか?
 09/10/07 介護サービス事業者のための各種助成金等のご紹介


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日航、年金改定案を提示 2009.12.28

 経営再建中の日本航空は11月23日、政府支援の前提となる企業年金給付削減の割合について退職者分を30%強、現役社員分を約53%とする年金改定案を決めた。東京都内で開いた退職者向け説明会で西松遥社長が提示した。西松社長は再建の道筋がついた段階で、引責辞任する意向を正式に表明した。
 日航は年金改定に向けて退職者約9,000人、現役社員約1万6,000人のそれぞれ3分の2以上の賛同を求め、来年1月に賛否を問う投票を実施。
 日航の企業年金は退職者1人当たり月平均25万円程度支払われているとされ、減額されれば月8万円程度減る計算。企業年金とは別に国民年金、厚生年金も給付される。


仕事に関する意識調査 2009.09.21

東京海上日動リスクコンサルティングは、「仕事に関する意識調査」を実施し、9月14日その結果を発表しました。昨年に引き続き2回目。調査は2009年7月、全国の20代~50代の勤労者1.000名を対象に実施。
http://www.tokiorisk.co.jp/cgi-bin/topics/page.cgi?no=552

【調査結果のポイント】
○昨年と比較してモチベーションは低下傾向に。特に20代のモチベーション低下が著しい。一方、40代はモチベーションが向上している。
○20代は会社の将来性への不安とともに、人材育成の機会が十分でないと感じている。40代は会社の将来性に不安を感じてはいるものの、モチベーションの低下にはつながっていない。
○モチベーションを高める仕事は、自分のやりたい仕事、評価が実感できる仕事、高い金銭的報酬につながる仕事、新たな技術や知識が身に付く仕事。
6割がこの1年間に会社を辞めたいと考えたことがある。その理由として、給料が安い、正当に評価されない、会社の将来性が不安。

モチベーション(業務遂行意欲)にフォーカスを当てた調査ですが、掲載した日本経済新聞9月14日朝刊では「この1年間に…『退職考えた』7割」と刺激的なタイトルがついています。

-リストラ不安感じる 46%-
同日の日本経済新聞朝刊、毎週月曜日に掲載している「クイックサーベイ」では次のような調査結果を載せています。

「リストラされるのではないかという不安を感じますか」との問に対し、「かなり感じる」9%、「多少は感じる」37%、「あまり感じない」37%、「まったく感じない」18%。その理由としては「会社の業績悪化」が最も多かった。
「あなたの会社は今後1・2年以内に正社員を人員削減する可能性はあると思いますか」との問に対して、「あると思う」19%、「あるかもしれないと思う」37%。「リストラの対象になった場合、退職に応じますか」に対して、「応じる」「条件次第では応じるかもしれない」との回答が合わせて74%、年代別にみると20代が78%、30代76%、40代も68%あった。一方、「応じるつもりはない」と会社にしがみつく人は16%にとどまる。

企業で働く20~50歳の正社員を対象に、9月4・5日に実施して1032人の回答を得たものです。比較が無いのでなんともいえませんが、リストラに対する不安はそれほどでもないように感じます。それよりも、リストラがあった場合の対応で「応じる」「条件次第で応じるかも」が30代で76%、40代でも68%と高率であるところ。今の雇用状況の厳しさを反映していません。「しかたがない」という意識が大勢なのかもしれませんが、それほど、差し迫ったリストラに直面してない人たちが多かったのかもしれません。


新型インフルエンザ 企業の対応 2009.09.14

財団法人労務行政研究所は9月9日、新型インフルエンザに対する企業の対策についての緊急アンケートの結果を発表しました。 本調査結果の詳細については、同社発行の「労政時報 第3758号と、10月上旬発刊予定の労政時報別冊「企業と社員を守る新型インフルエンザ対策」で紹介するとのことです。

「企業における新型インフルエンザ対策の実態」
    2009年9月9日 財団法人 労務行政研究所
    https://www.rosei.or.jp/contents/detail/20086

2009年7月22日~8月8日の間に 同社のサイトに登録している民間企業から抽出した人事労務担当者4263人(原則1社1人)。うち、回答の得られた360社を集計しています。 本プレスリリースからその概要を見てみますとアンケート4項目について触れていますが、この中で

「従業員に感染が確認され,本人を自宅待機とした場合の賃金等の取り扱い」については

1位 賃金を通常どおり支払う(欠勤しても控除がない)……33・1%
2位 分からない・未定……27.2%
3位 賃金や休業手当等は支払わない……22.2%
4位 賃金は支払わず,休業手当を支払う……8.6%
5位 略
6位 原則として年休取得で対応……5%

「同居家族に感染が確認された場合の,従業員の自宅待機」については

①保健所の判断を待たず,原則として自宅待機とする……34%(大企業で41%)
②保健所から外出の自粛要請が出された場合は,自宅待機とする」……43%

「上記の場合の,賃金等の取り扱い」については

「①保健所の判断を待たず,原則として自宅待機とする」企業で50・8%
「②保健所から『濃厚接触者』として外出の自粛要請が出された場合は,自宅待機とする」企業で33.7%
一方、「賃金や休業手当等は一切支払わない」とする企業も①で14.8%あります

同発表文書では、合わせて法的判断も載せていて
『現時点では,感染症予防法に基づく知事の要請は出ておらず,現段階で保健所や医師から言われるのは,本年6月19日に改定された「医療の確保,検疫,学校・保育施設等の臨時休業の要請等に関する運用指針」(以下,「運用指針」)に基づ”法の根拠をもたない”緩やかな要請である。この点に留意が必要であり、現況における罹患者の自宅待機の場合、「休業手当」の要否については,個別具体的な事案の判断の権限は所轄の労基署にあるので、確認を得ることが賢明であろう。』としています。


本アンケートの中で気になるのは、休業手当の要否は当然のこととして、「従業員に感染が確認され,本人を自宅待機とした場合の賃金等の取り扱い」で、「年休で対応する」というのが、5%あることです。また、「賃金や休業手当等は支払わない」「賃金は支払わず,休業手当を支払う」と答えた企業のうち98,2%は,「年休の取得を認める」としているようです。インフルエンザに罹患して休む従業員が年次有給休暇を請求することは妨げるものではありませんが、休業手当の要否が問題にされる場面での年休(年次有給休暇)の運用には、労基法上問題があるところです

参照:「社員あるいはその家族が新型インフルエンザに罹患した際の給与の取扱い」(労務ドットコムの名南経営による人事労務管理最新情報 2009年9月9日)
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/51617378.html

現在の行政の方針5月22日に出された、「新型インフルエンザ対策基本的対処方針」「医療の確保、検疫、学校・保育施設等の臨時休業の要請等に関する運用指針」で後者は6月19日に改定されているところです。

本ブログでは5月14日に「新型インフルエンザと就業禁止」を書いています。この中で休業手当の要否については『感染症法に基づく国等の対策については、感染状況等によって、逐次変化し得るものであり、休業手当等における「使用者の責めに帰すべき事由」についてもそれに応じて変わり得るもの』であることに言及しました。この時の行政の方針は「新型インフルエンザに係る対応について(平成21年4月28日健感発0428003号厚生労働省健康局長通知) 」。今般の労務行政研究所のリリース文書と合わせてご参照ください。

新型インフルエンザと就業禁止(5月14日)
新型インフルエンザ 行政の対応方針(6月25日 適宜更新)


【新型インフルエンザ 国家公務員の場合】
企業の対応を検討するにあたり、国家公務員の場合の扱いをみておきましょう。

「新型インフルエンザ対策基本的対処方針」のQ&A(7月23日改定版)においてつぎのような方針が示されています。

【抜粋】
(問27)国では、各省庁の事業や職員について、どのような措置を講ずるのか。

(答)国においては、「基本的対処方針」及び6月19日に改定された「医療の確保、検疫、学校・保育施設等の臨時休業の要請等に関する運用指針」を踏まえ、職場における感染や事業を通じた感染を防止するため、各省庁において、例えば、次の工夫を行うこととしています。
○ 全職員に対し、外出に当たっては、人込みをなるべく避けるとともに、手洗い、うがい等を呼びかけます。咳等の症状のある者には、咳エチケットの徹底、混み合った場所でのマスク着用を呼びかけます。
○ 通勤途上の感染機会を減らすため、時差通勤等の方策を検討します。
○ 自転車等による通勤のための駐輪場の確保を検討します。
○ 職員の健康管理を徹底します。
○ 健康上具合の悪い職員は、早めに休むよう呼びかけます。
○ 職員に対し、発熱症状やインフルエンザ様症状のある場合には、通勤前に医療機関に受診するよう勧め、医師の指導に従うよう呼びかけます。
○ 感染者と濃厚接触した職員に対し、保健所の指示に従い、外出自粛などに協力するよう呼びかけるとともに、必要に応じ、特別休暇を取得するよう勧めます。
○ 職場における手洗い・手指消毒、咳エチケットの徹底、うがい等を呼びかけます。また、庁舎の入口等に速乾性アルコール製剤を設置します。
…以下略

「新型インフルエンザ等感染症により出勤することが著しく困難であると認められる場合の休暇の取扱いについて」(平成21年5月20日 人事院事務総局職員福祉課長通知)によれば

人事院規則15-14(職員の勤務時間、休日及び休暇)第22条第1項第16号
人事院規則15-15(非常勤職員の勤務時間及び休暇)第4条第1項第3号

として取り扱ってよいこととされています。

国家公務員の休暇には年次休暇、病気休暇、特別休暇、介護休暇の4種類が規定されています。上記第22条第1項第16号は特別休暇で「地震、水害、火災その他の災害又は交通機関の事故等により出勤することが著しく困難であると認められる場合 必要と認められる期間 」というものです。その給与については、「一般職の職員の給与に関する法律」により有給とされています。

非常勤職員については、特別休暇により「非常勤職員が地震、水害、火災その他の災害又は交通機関の事故等(以下「災害等」という。)により出勤することが著しく困難であると認められる場合 災害等により勤務場所に赴くことが著しく困難であると認められる状態となった日(勤務中若しくは勤務が終了した後その日に当該状態となった場合(当該状態となった後その日に出勤することを要しない場合に限る。)又は勤務時間が定められていない日若しくは全日にわたり法令の規定に基づき職務に専念する義務が免除されている日に当該状態となった場合にあっては、当該状態となった日の翌日)から連続する三日の範囲内の期間 」が有給として取り扱われることとなります。

※ただし、本特別休暇が該当するのは、検疫法に基づく停留の措置及び感染症法に基づく外出自粛要請を受けている場合です

なお、非公務員型となる、日本年金機構の労働条件によると病気休暇は最大2年間(無給)、特別休暇については概ね5割支給ですが、「天災及び交通機関の事故等により出勤が困難と認められた場合」は設けられていません。(日本年金機構の労働条件〔第4回日本年金機構設立委員会資料(平成20年12月22日)〕


以上を踏まえて新型インフルエンザに対する企業の労務管理上の対応について検討してみたいと思います。なお、9月18日厚生労働省のホームページに下記Q&Aが掲載されました。

新型インフルエンザに関連して労働者を休業させる場合の労働基準法上の問題に関するQ&A(平成21年9月18日)

さて、労務管理上の対応としては、保健所の判断を待たず企業独自の判断で対応する場合は別として、法律に準じるのであれば、ことさら規程等の作成をしなくても最低限の対応はできると思います。ただ、どのように行動するのか、休まなければならないときの会社の対応を従業員に周知しておくことは大切かと思います。書式等の都合で、PDFファイルにしています。

 新型インフルエンザにおける労務管理上の取扱い(9月22日)


【11月1日追加】10月30日、厚生労働省より「新型インフルエンザ(A/H1N1)に関する事業者・職場のQ&A」が発表されました。Q1~11までありますが、一部を抜粋しました。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/infu1013-1.pdf
「新型インフルエンザ(A/H1N1)に関する事業者・職場のQ&A」(平成21年10月30日 厚生労働省) 【抜粋】

Q1 職場で取り組むべき新型インフルエンザ対策にはどのようなことがありますか?

 事業者においては、労働者の健康管理を徹底するとともに、感染機会を減らすための工夫の検討として、例えば、
・ 発熱症状のある方については、医師の指導に従って、休暇を取得の上、自宅で療養してもらうなどの対応を検討していただくことが考えられます。
 また、それぞれの事業者において、感染状況を注視するとともに、手洗いや咳エチケットの周知、職場の清掃などに取り組んでいただく必要があると考えます。
 その他、
・ 職場における感染防止策について、労働者へ教育・普及啓発を行う
・ 欠勤した労働者本人や家族の健康状態の確認(発熱の有無や発症者との接触可能性の確認)や欠勤理由の把握を行い、本人や家族が感染した疑いがある場合には連絡するよう指導する
・ 労働者の子どもが通う保育施設等が臨時休業になった場合における当該労働者の勤務への配慮を行う等の対応が考えられますので参考としてください。

Q2 発熱や呼吸器症状等のインフルエンザ様症状を呈した労働者にはどのような注意をすればよいですか。また、労働者がインフルエンザと診断されましたが、新型インフルエンザ(A/H1N1)と確定されない場合、どのような対応をしたらよいのでしょうか。

 基礎疾患を有しない方については、本人の安静のため及び新たな感染者をできるだけ増やさないために外出を自粛し、抗インフルエンザウイルス薬の内服等も含め、医師の指導に従って自宅において療養してもらうことが適当です。

 なお、現在、医療機関においては、新型インフルエンザか否かの確定検査は原則として行っておりませんので、インフルエンザと診断された場合は、新型インフルエンザと確定されない場合でも、上記の対応を参考にしてください。

Q3 労働者が新型インフルエンザ(A/H1N1)に感染した場合の同じ職場の労働者(濃厚接触者や、同居する家族が感染した労働者(濃厚接触者)は、仕事を休ませる必要がありますか。

 発症者と同じ職場の労働者などの濃厚接触者でも、インフルエンザ様症状がない場合は、一般的には仕事を休ませずに職務を継続することが可能となると考えられますが、職務の必要性や内容に応じてその継続の可否を判断して下さい。

 その際、勤務を継続する場合は、朝夕の検温や手洗いなどの健康管理を行い、体調が悪化した場合は直ちに上司に報告するよう、徹底することが必要です。特にQ2で示した基礎疾患を有する方や妊婦等については、日々の健康管理を徹底するよう、留意して下さい。

Q4 労働者が新型インフルエンザ(A/H1N1)に感染していることが確認された場合に、どのような対応をしたらよいのでしょうか。

 労働者の感染が確認された場合、事業者は、労働者全員を自宅待機させる必要はないまでも、感染拡大防止の工夫をしていただきたいと考えます。

 職場で大規模な集団感染が疑われるケースについては、事業者は、保健所と相談の上、必要に応じ、感染拡大防止のため、事業運営において感染機会を減らすための防止策等の協力をしていただく必要があります。

 なお、労働安全衛生法第68条に基づく就業禁止の措置については、現在流行している新型インフルエンザ(A/H1N1)については、多くの感染者は軽症のまま回復し、季節性インフルエンザと類似する点が多いことが明らかになったこと等から、現時点においては、労働安全衛生規則第61条第1項第1号の「病毒伝ぱのおそれのある伝染性の疾病」には該当せず、労働者が新型インフルエンザ(A/H1N1)に感染したことのみをもって、就業禁止の措置を講ずることは要しません。

 しかしながら、労働者が新型インフルエンザに感染し、医師から、本人の病勢や他の労働者への影響を考慮して、自宅療養等をする必要があるとの指導がなされている場合には、それに反して出勤させることは適当ではありません。

Q5 新型インフルエンザ(A/H1N1)に罹患した労働者が復職する際、留意することはありますか。治癒証明書や陰性証明書が必要ですか。

 新型インフルエンザ(A/H1N1)でも、通常のインフルエンザと同様、発熱等の症状がなくなってからも感染力が続くと考えられています。

 基本的に、熱などの症状がなくなってから2日目までが外出自粛の目安です。し かし、完全に感染力がなくなる時期は明確でないことから、業務上可能であれば発症した日の翌日から7日を経過するまで、外出を自粛することが望ましいと考えます。

 なお、労働者に対し治癒証明書や陰性証明書の提出を求めることについては、 インフルエンザの陰性を証明することは一般に困難であることや、患者の治療にあたる医療機関に過剰な負担をかける結果になることから、望ましくありません。

Q7 労働者が業務上インフルエンザに罹患した場合、事業者は、安全配慮義務違反に問われるのでしょうか。

 労働契約法第5条は、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をする」ものとしています。本条にいう使用者の安全配慮義務の具体的内容は、労働者の労務の具体的状況等により異なるものであるので、一概には言えませんが、労働者が就業に際し新型インフルエンザに罹患しないよう、Q1で示した必要な感染防止策を講じていただくようお願いします。
 
 いずれにせよ、現時点では、災害が発生したときの責任の有無を論ずるのではなく、まずは、労使が協力して、就業中や通勤途上においてインフルエンザに罹患しないよう必要な備え・対策をお願いします。

Q8 新型インフルエンザに関連して労働者を休業させる場合、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。

感染拡大防止の観点からは、感染又は感染の疑いがある場合には、保健所の要請等に従い外出を自粛することその他感染拡大防止に努めることが重要ですが、その際、欠勤中の賃金の取扱いについては、労使で十分に話し合っていただき、労働者が安心して休暇を取得できる体制を整えていただくようお願いします。

 なお、賃金の支払の必要性の有無等については、個別事案ごとに諸事情を総合的に勘案すべきものですが、法律上、労働基準法第26条に定める休業手当を支払う必要性の有無については、一般的には以下のように考えられます。(※以下は現時点の状況を基にしており、今後の新型インフルエンザの流行状況等に応じて保健所の要請等が変更される可能性がありますのでご留意ください。)

①労働者が新型インフルエンザに感染したため休業させる場合
 新型インフルエンザに感染しており、医師等による指導により労働者が休業する場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられますので、休業手当を支払う必要はありません。
 医師による指導等の範囲を超えて(外出自粛期間経過後など)休業させる場合には、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当たり、休業手当を支払う必要があります。

②労働者に発熱などの症状があるため休業させる場合
 新型インフルエンザかどうか分からない時点で、発熱などの症状があるため労働者が自主的に休む場合は、通常の病欠と同様に取り扱えば足りるものであり、病気休暇制度を活用すること等が考えられます。

 一方、例えば熱が37度以上あることなど一定の症状があることのみをもって一律に労働者を休ませる措置をとる場合のように、使用者の自主的な判断で休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当たり、休業手当を支払う必要があります。

③感染者と近くで仕事をしていた労働者や同居する家族が感染した労働者を休業させる場合
 Q3にあるとおり、感染者と近くで仕事をしていた労働者などの濃厚接触者でも、インフルエンザ様症状がない場合は職務の継続が可能となると考えられます。職務の継続が可能である労働者について、使用者の自主的判断で休業させる場合には、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当たり、休業手当を支払う必要があります。

 なお、大規模な集団感染が疑われるケースなどで保健所等の指導により休業させる場合については、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」には該当しないと考えられますので、休業手当を支払う必要はありません。

 ※なお、①から③において休業手当を支払う必要がないとされる場合においても、自宅勤務などの方法により労働者を業務に従事させることが可能な場合において、これを十分検討する等休業の回避について通常使用者として行うべき最善の努力を尽くしていないと認められた場合には、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当する場合があり、休業手当の支払が必要となることがあります。

Q9 新型インフルエンザに感染している疑いのある労働者について、一律に年次有給休暇を取得したこととする取扱いは、労働基準法上問題はありませんか。病気休暇を取得したこととする場合はどうですか。

 年次有給休暇は原則として労働者の請求する時季に与えなければならないものですので、使用者が一方的に取得させることはできません。事業場で任意に設けられた病気休暇により対応する場合は、事業場の就業規則等の規定に照らし適切に取り扱ってください。


海外派遣企業での新型インフルエンザ対策ガイドライン(A/H1N1型版) 2009.08.15

独立行政法人労働者健康福祉機構 海外勤務健康管理センター(JOHAC)では、従来より、「海外派遣企業での新型インフルエンザ対策ガイドライン」をホームページに公開していましたが、この度、新型インフルエンザ(A/H1N1型)の現況から、従来の高病原性鳥インフルエンザ(A/H5N1型)を想定したガイドラインでは病原性と対応に乖離が生じるため、新たなガイドラインを作成し、12日公表しました。

海外派遣企業での新型インフルエンザ対策ガイドライン(A/H1N1型版)について
  http://www.johac.rofuku.go.jp/information/news/061001.html

海外派遣企業での新型インフルエンザ対策ガイドライン(A/H1N1型版)


【ブログ内関連記事】
新型インフルエンザ 行政の対応方針(09.06.25)
新型インフルエンザ対策関連情報リンク集(09.05.10)


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