06/14 「名ばかり管理職」見直し 流通業に広がる(日経)
店長に残業代を支払う動きが流通・サービスの幅広い業種に広がってきた。外食・紳士服、コンビニエンスストアに加え、第一興商などカラオケ店大手が支払いを決め、メガネ店のメガネトップ、メガネスーパーも検討に入った。支払う義務のない管理職店長に長時間労働を強いる「名ばかり管理職」問題を受け、これまで処遇改善に着手した大手は16社。社会的批判をかわすとともに人材をつなぎ留める狙いで、追随する企業が増えそうだ。
労働基準法では経営側と一体的な立場の「管理監督職」に残業代を支払う義務はない。流通業などでは店長を管理監督者である管理職と位置づける例が多いが、日本マクドナルド店長の処遇を巡る訴訟で東京地裁が1月、同社に残業代支払を命じる判決を出した。5月にマクドナルドが支払いを決めたのを受け、見直しが加速している。
カラオケ店チェーン2位で「ビッグエコー」を運営する第一興商は4月から、直営店の店長の管理職扱いは変えないまま残業代を支給。来年3月までに子会社運営の店舗に広げる。同5位でAOKIホールディングス傘下のヴァリック(横浜市)は10月から店長を非管理職に変えて支払う。
メガネ専門店チェーン大手のメガネトップは今秋にも店長を管理職から外して支払う方向で、メガネスーパーも支払いを含めて改善策を検討中だ。両社とも最大手の三城に次ぐ規模。
外食は「ロイヤルホスト」のロイヤルホールディングスや居酒屋チェーンのワタミも処遇改善を検討している。ドラッグストア大手のスギ薬局は管理職のまま残業代を支払わない代わり、店長の権限を拡大する予定だ。
スーパーなどは店舗規模や店長の権限が大きいため、今のところ名ばかり管理職問題は表面化していない。これに対し専門店・外食企業は店舗が小さいうえに正社員も少なく、権限が店内に限られる場合が多い。
このためローソンや日本ケンタッキー・フライドチキンなどは以前から以前から非管理職にして残業代を払ってきた。
今後も店長が営業方針など経営にかかわっていないにも拘わらず管理職扱いにしてきた企業の多くは見直しをせまられそうだ。
店長の処遇を改善する流通大手
紳士服店
◎青山商事(4月)AOKIホールディングス(5月)、コナカ(07年10月)、はるやま商事(5月)
外食店
○日本マクドナルド(8月)、カルラ(09年3月)
□ロイヤルホールディングス、すかいらーく、ワタミ
コンビニエンスストア
○セブン−イレブン・ジャパン(3月)、九九プラス(10月)
カラオケ店
○第一興商(09年3月までに)
◎ヴァリック(10月)
眼鏡店・ドラッグストア
□メガネトップ、メガネスーパー、スギ薬局
◎=店長を非管理職にして残業代を支払う ○=管理職のまま支払う □=残業代支払や権限拡大などを含めて改善を検討。カッコ内は支払開始時期、予定含む
06/13 キヤノン社員自殺は労災/直前の残業月260時間(共同通信)
沼津労働基準監督署(静岡県)は13日までに、自宅に仕事を持ち帰り長時間残業を続けたキヤノンの男性社員=当時(37)=の自殺について、過重な業務で精神疾患を発症したのが原因として労災と認定した。自殺直前の残業は月260時間を超えていた。
労災を申請した妻の代理人川人博弁護士は「キヤノンの御手洗冨士夫会長が会長を務める日本経団連は被災者の死を真摯に受け止め、自殺予防に全力で取り組むべきだ」と話している。
川人弁護士によると、男性はキヤノンの富士裾野リサーチパーク(静岡県裾野市)に研究職として勤務していた2006年11月30日、電車に飛び込み自殺した。職場は午後10時までしか残業できない決まりだったが、男性は帰宅後や休日も深夜までパソコンを使って仕事をしていた。パソコンから自宅での労働時間を確認した結果、同年8月末から10月下旬まで54日間休まずに働いており、社内での勤務時間と合わせると、自殺前1カ月の残業は263時間に上った。また直前にあった研究成果を発表する「成果展」の準備のため長時間残業を強いられた上、当日は慣れない研究分野の発表で質問にうまく答えられず、大きな精神的ストレスを受けたという。
キヤノン広報部は「事実を厳粛に受け止め、誠意を持って対処したい」としている。
06/14 日雇い派遣原則禁止 厚生労働省検討(日経)
厚生労働省は13日、日雇い派遣の原則禁止も視野に法改正の検討に入った。労働者派遣法の国会提出を前倒しし、今秋の臨時国会での成立を目指す。日雇い派遣には「ワーキングプアの温床」との指摘が多く、一部業者の違法行為も目立つ。ただ、全面的に禁止すれば雇用機会が減る可能性があり、禁止する職種などを巡って改正案の策定作業は難航する可能性もある。
舛添要一厚労相は13日の会見で「日雇い派遣はかなり厳しい形で見直すべきだ」と語り、通訳のような専門的職種を除いて原則禁止したいとの考えを表明。地方労働局を通じて派遣会社などに法令順守の徹底を求める指示も出した。
与党内でも公明党の大田昭宏代表が「日雇い派遣全面禁止」を訴え、これに自民党が同調、福田康夫首相も6日の社会保障国民会議派遣労働者の保護を舛添厚労相に指示。政府・与党全体で規制強化の動きが強まっている。
労働者派遣法が1985年に制定された当時、その対象は通訳など13の専門職だけだった。その後対象が広がり、2003年の法改正で製造業への派遣が解禁され、警備など一部の例外を除いてすべての職種への派遣が可能になった。日雇いも対象は同じだ。
ただ、1日単位で契約する日雇い派遣は雇用が不安定で、低賃金の労働者を生み出しているとの批判がある。安全教育が十分行なえず、倉庫内の荷卸し作業で派遣社員がケガをするという問題の多発している。
厚労省は派遣制度全体を見直すため、2月に有識者による研究会を設置した。同会では倉庫内の荷卸し作業などの危険な業種に限って日雇い派遣を禁止する方向で検討しているが、政府・与党の意向を受けて危険業務以外にも禁止する範囲が広がる可能性が高まってきた。
日雇い派遣は働きたいときに働けるというメリットが労働者側にあり、企業側にも労働力を柔軟に調達できるというメリットがある。イベント運営や引っ越し、街頭でのチラシ配布など繁閑差の激しい業種は、日雇い派遣に依存している。必要なときに必要な労働力を確保できなければ経営が悪化し、雇用機会自体が縮小する恐れがある。
企業がアルバイトなどを直接雇用すれば1日単位で労働者を確保することは可能だが、知名度の低い中小企業では自力での求人に限界がある。事実上、派遣業者に頼らざるを得ないため、日雇い派遣が原則禁止されると特に中小企業が打撃を受けることになりそうだ。
ここにきて規制強化の動きが加速した背景には8日に東京・秋葉原で起きた無差別殺傷事件がある。舛添厚労相の13日の発言もこの事件を受けたもの。事件の容疑者は日雇い派遣ではないが、社会全体に高まる雇用不安や低賃金に対する問題意識を刺激した面がある。慶応大学の樋口美雄教授は「日雇い派遣を禁止した場合、その人たちがちゃんと職に就けるのかということまで含めて考える必要がある」と指摘している。
派遣関連お制度改正、事件など
1985年 労働者派遣法制定。通訳、ソフトウェア開発など13の専門業務に限って派遣を認める
1996年 派遣可能な専門業種を26業種に拡大
1999年 建設、製造、警備などを除き派遣先を原則自由化
2003年 製造業への派遣解禁を決定。専門職以外の派遣可能期間を1年から最大3年に延長
2007年8月 日雇い派遣大手のフルキャストが禁止された港湾への派遣などで業務停止命令を受ける
2008年1月 同じく大手のグッドウィルが、二重派遣などで事業停止命令を受ける
06/13 育児支援へ義務付け 育児・介護休業法改正へ(日経)
厚生労働省は仕事と子育ての両立を支援するため、3歳未満の子どもを持つ社員を対象に短時間勤務と残業免除の制度を設けることを企業に義務すける方針を固めた。また男性の育児休業制度の取得を支援するため、原則一度しかとれない休みを分割して取ることができるよう改める。来年の通常国会に育児・介護休業法の改正案を提出する予定。
現在の育児・介護休業法はすべての企業に対し、短時間勤務、残業免除、フレックスタイム、始業・終業時間の繰り上げ・繰り下げ、企業内託児所設置の5つの制度の中から最低1つを実施することを義務付けている。厚生労働省は短時間勤務と、残業免除の2つが仕事と子育ての両立に最も有効と判断。2制度の導入を企業に義務付けることにした。
該当する社員が制度の適用を希望すれば、会社は認めなくてはならない。夫婦が共同で育児に携わることを促すため、父親も対象にする方向だ。
厚労省の調査では従業員500人以上の企業の95%が5つの制度のうちいずれかを導入している。これに対し、30人未満の企業では37%にとどまる。このため、実際の導入に当っては、まず大企業に短時間勤務と残業免除制度を義務付け、段階的に広げていくことも検討する。違反企業に対する罰則は設けないが、厚労省は企業を個別調査して指導していく。
育児休業制度は原則として子供が1歳までの間に1度しかとれない。これを2度とれるようにする。
具体的には産後8週間までの期間に育休をとった場合、その後再び育休をとることを認める。分割取得を可能にすることで、現在1%以下しか利用されていない男性の育休取得を促す。
06/12 賃金未払い20億円を支給/UCC上島珈琲(共同通信)
UCC上島珈琲(神戸市)は12日、グループの全正社員約2,000人にサービス残業をさせており、未払いとなっていた2年間の時間外賃金約20億円を支払ったと発表した。
支給対象の期間は2006年2月から今年1月まで。従業員の等級に基づき一定の割合で支給、08年3月期連結決算の特別損失などに計上した。
記者会見した河本篤副社長は「労働基準監督署からの是正勧告などはなく、自主的な判断。全社的に労働環境を整備するために踏み切った」と述べた。